川茂の太郎杉遺株
新潟県佐渡市下川茂1977-6 太郎杉公園 市指定天然記念物 撮影2007.10 巨樹MAP
幹周14.5m 推定樹齢2100年
五所神社から南東に1.5kmほど離れた山中に、太郎杉公園があります。小高い尾根上に八角形の展望台が建てられています。外付けの鉄の階段を上がりドアを開けると中は回廊で、真下をを見下ろせば江戸時代末期に切られた「太郎杉」の切り株を見ることが出来ます。日本一大きな杉の切株だといいます。
「太郎杉切り株
太郎杉は江戸時代の末期に伐採されたと伝えられ、次のような民話が語り継がれている。
「大杉山」に聳える太郎杉は子守をしていた地元の娘に恋をし、若者の姿となって娘と逢瀬を重ねていた。
殿様の命令で切られることとなった前夜、太郎杉は「俺は切られてもその場を動かんが、お前が来れば動く。それで貰える褒美で暮らせ。お前は俺の子供を何万と宿している。山で用をたすと種が出て、杉の木が生えて杉山になる」と娘に言い別れた。太郎杉は切られたが、人々がどんなに頑張っても動かず、人々は娘に助けを求めた。太郎杉は娘の声にあわせて運ばれ海を越えていった。その後川茂には太郎杉の子が広がり杉の産地として栄えた。
太郎杉は大き過ぎて佐渡の樵では手が出ず、能登から来た樵によって伐採された。並みの長鋸では短く、地元の鍛冶屋が継ぎ合わせて一本とした。幹に遮られて相手が見えず、間に合図をする者がいて調子を合わせた。伐採には半年の月日がかかった。切り株に莚八枚を敷き、樵十三人が輪になり酒盛りをした等、大きな杉であったことが語り伝えられている。
太郎杉株の大きさ
長径 三間(5.4m)
短径 二間(3.6m)
幹周 八間(14.5m)
推定樹齢 2100年以上
(1935年 川茂大杉山・太郎杉切株踏査書より)
太郎杉は川茂杉と呼ばれる 萌芽力・生命力の強い品種で、麓の五所神社には現存する最大の川茂杉(幹周5.2m樹高30m)が神木として残っている。
この展望台により切り株を保存し、赤泊村が大杉の産地であった事を長く伝える。
赤泊村」
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